令和3年度入学式 学校長式辞
令和3年度入学式の学校長式辞をご紹介します。
式辞
富山県理容美容専門学校72期生93名の入学生諸君、入学おめでとうございます。
本来であれば、晴れの入学式には、保護者各位、関係各位のご臨席を仰ぐはずですが、今般のコロナ禍で入学生と教職員のみ出席の式となりました。今日、この日を心待ちにしておられた保護者の皆様には誠に申し訳ない気持ちでいっぱいです。この場をお借りしてお詫び申し上げます。
さて、本校は広くビューティービジネス業界にあまたの人材を輩出している学校であり、この業界で「業(ぎょう・なりわい)」つまり、生きていく糧を学びそれに必要な知識と技能と資格を修得する学校です。
我々の業界のみならず、すべての業態、企業、社会が「自分で考え、自分で行動できる」人材を欲していることは良くお聞きになると思います。
「自分で考え、自分で行動できる」人材になるためには、知識と技能とそのステージに立てる資格が必要となります。このような人材育成を目指し、今年度から本校は新たに、生徒が自らの特色や興味を持っていることを見つめ、試し、確認できる授業を実施いたします。これを具現化するために、自らの将来を考えて、本校で学ぶべき学科科目や技能実習を自主的選ぶことのできる選択制カリキュラムを施行いたします。
もちろん、自己責任は伴いますが、生徒自ら自主性を発揮して、将来の夢を現実のものとするために最適な選択制カリキュラムになっています。
具体的には、我々このビューティービジネス業界は近年仕事の細分化が進んでいます。スタイリスト、カラーリスト、ネイリスト、エステティシャン、アイデザイナー、メイクアップアーティスト、ブライダルプランナー、コンシェルジェ、シェービニスト等々それぞれがスペシャリストとして確固たる地位を得て独立しています。本校の選択制カリキュラムは基礎的知識と技能を身に付けながら、学生の間に実践的技能を率先して身に付け将来に対応することで、卒業後の就職先で大きなアドバンテージとなります。詳細はオリエンテーションでの説明に委ねます。良く理解しておいてください。
次に、本校の教育目標についてお話します。
1、国家試験、資格試験100%合格
2、サロンで役立つ、人材の育成
3、社会常識を持った業界のリーダーの育成
1、「国家試験、資格試験100%合格」とは、ビューティービジネスを仕事「業(ぎょう・なりわい)」とするためには資格をとらなければ、ステージに上がれません。資格取得は必須です。
2、「サロンで役立つ、人材の育成」とは、昨今の企業では、採用した人材に即戦力を求めて、各個人が企業に収益をもたらすになるまでの育成期間をなるべく短くすることが、企業存続の柱となっています。我々ビューティービジネス業界も同じで、お客様へ入客できる時期を早め、豊富な知識でお客様に最適な施術や商品をお勧めする事が必須となっています。選択制カリキュラムは、このビューティービジネス業界のまさにニーズに答えるものになります。
3、「社会常識を持った業界のリーダーの育成」とは、企業は利益を追加することが求められます。しかし、それは法令遵守と企業倫理に則ることは言うまでもなく、お客様の安心、安全が絶対になります。目先の利益にこだわり、お客様の安全が疎かになってはなりません。具体的事例をあげれば、カラーリングの毛髪染毛剤の酸化染毛料(パラフェニレンジアミン)は色鮮やか発色をしてお客様のホスピタリティーを満足させますが、一方、人に対して抗原(アレルゲン)となり感作され、花粉症のように個人差がありますが、アレルギー性皮膚炎等を発症し、アナフィラキシーショックの原因となるため、薬機法の医薬部外品として定義され、事前の皮膚パッチテストが定められています。国家資格者の理容師、美容師がお客様に酸化染毛剤を使用して唯一「業(ぎょう・なりわい)」とすることができますが、施術前に皮膚パッチテストを実施または確認しなければ、お客様の安全を担保できません。「社会常識を持った業界リーダー」はお客様の安全を第一に考え、これを当然の如く実施する人材を言います。
以上の教育目標の礎となる本校の教育理念は【真理探究】であります。
【真理探究 まことのことわりを学び、物事の本質を見きわめること】
分かりやすく言えば、「正確なカット理論と技術を学び、お客様に似合う唯一無二のヘアースタイルを極めること」になります。
最後になりますが、保護者の皆様にお願いがございます。前述しておりますが、本校のカリキュラムは就職企業様と協力して即戦力、つまり、お給料が早く沢山貰えるように作ってあります。ご子息様、ご令嬢様は短期間に自らの将来の糧として多くの知識と技能を身に付けることになります。大いに叱咤激励をお願いいたします。また、本校教職員は選択制カリキュラムを施行できるほどのスキルを身につけており、安心しておまかせ頂ければと思いますが、保護者の皆様とも密にやり取りをさせて頂きます。本校教職員はご子息様、ご令嬢様の将来に全身全霊を持ってあたりますことをお約束して式辞といたします。
令和三年四月七日
富山県理容美容専門学校
校長 金谷健興